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握斧(読み)あくふ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

握斧
あくふ

ハンドアックス hand axともいい,最初フランスでクードポアン coup-de-poingと呼ばれた。先史時代人類が使用した石器の一種。石材の両面を打剥加工して西洋なし形に仕上げてある。すなわち先端はとがり,両側は刃部を呈し,基部は掌中に握るため半円状を呈している。突く,切る,削る,たたく,割る,握るなどの万能用具で,ヨーロッパ,アフリカ,西アジア,インドなどのアフラシア大陸西部の前期旧石器時代 (アブビル文化,アシュール文化 ) の特徴的石器である。大きさは中型で 12~15cm。なお楕円形あるいは三角形のものもみられる。礫器から発達したことは東アフリカのオルドバイ遺跡などで明らかにされている。

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大辞林 第三版の解説

あくふ【握斧】

打製石器の一種。旧石器時代前期の最も標準的な石器。西洋梨形・卵形・三角形などがある。握り斧おの。敲打器こうだき。クー-ド-ポアン。ハンド-アックス。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

握斧
あくふ

前期旧石器文化の代表的石器。ハンドアックスhand-axe、クー・ド・ポワンcoup de poing(フランス語)、また握斧状石器ともよばれる。[編集部]

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世界大百科事典内の握斧の言及

【猿人】より

…約200万年前以降,約150万年前までの石器はオルドワン(オルドバイ)式石器と総称され,丸い自然石の一端を何度か打ち欠いたもの(礫(れき)石器)など,比較的原始的なものを含んでいる。ざっと150万年前ごろから後になると,新オルドワン式石器(進歩的オルドワン式石器)と呼べる,より洗練された石器文化が現れ,原始的なハンド・アックス(握斧)を含むのが特徴的である。ただしこのころになると,新オルドワン式石器とともに,あるいはそれとは独立に,典型的なハンド・アックスを豊富に含む,さらに進歩したアシュリアン(アシュール)式石器が見つかる遺跡もあって,石器文化が多様化ないしは変化しつつあったことがわかる。…

【石斧】より

…しかし,この系統的な発達に先立つ石斧の存在も知られるようになっている。旧石器時代のハンド・アックス(握斧)と呼ばれる石器の中にも,柄を着けたものがあるらしいのである。日本の先土器時代の関東地方にも,3万年前とされる局部磨製石斧があり,世界的にも古い実例に属する。…

【ハンド・アックス】より

…旧石器時代の石器名称の一つである。訳名に握斧(にぎりおの)または握槌(にぎりづち)を当てる。用途は未分化であり,おそらく万能な道具として,切る,削る,掘るなどに用いられたものとみられるが,限定できないことから,両面調整石器biface,またフランス語のクー・ド・ポアンcoup‐de‐poingという名称も用いられる。…

※「握斧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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