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…約200万年前以降,約150万年前までの石器はオルドワン(オルドバイ)式石器と総称され,丸い自然石の一端を何度か打ち欠いたもの(礫(れき)石器)など,比較的原始的なものを含んでいる。ざっと150万年前ごろから後になると,新オルドワン式石器(進歩的オルドワン式石器)と呼べる,より洗練された石器文化が現れ,原始的なハンド・アックス(握斧)を含むのが特徴的である。ただしこのころになると,新オルドワン式石器とともに,あるいはそれとは独立に,典型的なハンド・アックスを豊富に含む,さらに進歩したアシュリアン(アシュール)式石器が見つかる遺跡もあって,石器文化が多様化ないしは変化しつつあったことがわかる。…
…しかし,この系統的な発達に先立つ石斧の存在も知られるようになっている。旧石器時代のハンド・アックス(握斧)と呼ばれる石器の中にも,柄を着けたものがあるらしいのである。日本の先土器時代の関東地方にも,3万年前とされる局部磨製石斧があり,世界的にも古い実例に属する。…
…旧石器時代の石器名称の一つである。訳名に握斧(にぎりおの)または握槌(にぎりづち)を当てる。用途は未分化であり,おそらく万能な道具として,切る,削る,掘るなどに用いられたものとみられるが,限定できないことから,両面調整石器biface,またフランス語のクー・ド・ポアンcoup‐de‐poingという名称も用いられる。…
※「握斧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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