高屋保(読み)たかやほ

日本歴史地名大系 「高屋保」の解説

高屋保
たかやほ

和名抄」の賀茂郡高屋郷を母体とする国衙領で、現高屋町域のうち造賀ぞうか小谷こだにを除く地域にあたると思われる。京都東寺大勧進知元に宛てた元応元年(一三一九)八月一二日付後宇多上皇院宣(東宝記)に「高屋本保事、可被止国衙之縡、於余田者付国衙可令知行給」とあり、永仁五年(一二九七)安芸国が東寺造営料国とされたことに伴い、高屋余田などがその料に充てられたが、高屋本保はその対象から除かれている。高屋本保の領有関係は不明であるが「康富記」宝徳元年(一四四九)九月四日条には大炊寮領とされている。大炊寮領になった時期は正治元年(一一九九)頃とも考えられる(同年九月八日付官宣旨案「師守記」紙背文書)。南北朝時代、中原家が高屋保の年貢収納にかかわっている(師守記)のは、同家が大炊頭を世襲していたためであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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