高津戸城跡(読み)たかつどじようあと

日本歴史地名大系 「高津戸城跡」の解説

高津戸城跡
たかつどじようあと

[現在地名]大間々町高津戸

渡良瀬川左岸、高津戸渓谷に面して南北に細長い丘陵南端の標高二七〇メートルの要害ようがい山頂上付近にある。桐生城(現桐生市)背後の西南端に築かれた梯郭式の山城で、南北四五〇メートル、幅二〇〇メートル、西側は渡良瀬川の急崖に臨む。山頂の要害神社のある平坦地が本丸で、径八〇メートルの扇形、その南に二ノ丸、さらに南に三ノ丸がある。要害神社の西と北をめぐる狭長な平地はいわゆる腰郭で、山頂から東北の尾根を横断する通路が堀切跡である。ほかに二ノ丸と三ノ丸の間の堀跡、城の南端を限る鉤形の堀跡などがある。渡辺崋山の「毛武遊記」は、当城は堀河天皇の頃山田七郎平吉之が拠り、その末裔山田筑後守平則之(行)が観応二年(一三五一)に桐生国綱に滅ぼされ、桐生氏のものとなったと記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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