高速中性子(読み)コウソクチュウセイシ(その他表記)fast neutron

翻訳|fast neutron

デジタル大辞泉 「高速中性子」の意味・読み・例文・類語

こうそく‐ちゅうせいし〔カウソク‐〕【高速中性子】

核分裂で放出されたまま、何ら減速を受けていない中性子速度光速の約20分の1、エネルギーは0.1~1メガ電子ボルト程度。高速中性子で核分裂の連鎖反応を起こさせるようにした原子炉高速炉という。速中性子。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高速中性子」の意味・わかりやすい解説

高速中性子
こうそくちゅうせいし
fast neutron

核分裂で生まれる中性子はメガ電子ボルト MeV( 1MeV=106eV=0.160×10-12J ) 領域のエネルギーをもっている。このようなエネルギーの中性子を高速中性子と呼ぶ。一般にはもう少しエネルギーの低い中性子や,D-T核融合で生まれるもっと高いエネルギーの中性子もこのように呼ばれる。これに対し,熱運動程度の低いエネルギーをもつ中性子が熱中性子である。

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化学辞典 第2版 「高速中性子」の解説

高速中性子
コウソクチュウセイシ
fast neutron

中性子源からの中性子や核分裂のときに放出される中性子は,数 MeV の運動エネルギーをもっている.こうした高いエネルギー(0.1 MeV 以上)をもち,大きい速度の中性子を高速中性子とよぶ.10~50 MeV のエネルギー範囲に限定して使う場合もある.[別用語参照]速い中性子遅い中性子

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高速中性子の言及

【中性子吸収材】より

…熱中性子の吸収材としては断面積が数万バーンから100バーン程度の,ホウ素B,ハフニウムHf,カドミウムCd,ガドリニウムGd,ユーロピウムEu,タンタルTaなどが使用される。一方,高速増殖炉で核分裂にかかわる高速中性子の吸収断面積は元素によって大差ないが,これらにおいても断面積の大きなものがよく,B4CやTaなどが使用される。 中性子吸収材の使用方法としては,(1)制御棒,(2)液体吸収材,(3)可燃毒物(バーナブルポイズン)がある。…

※「高速中性子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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