髪梳(読み)かみすき

精選版 日本国語大辞典 「髪梳」の意味・読み・例文・類語

かみ‐すき【髪梳】

〘名〙
頭髪を櫛などでとかすこと。髪をくしけずること。また、それを仕事とする人。
黄表紙江戸生艷気樺焼(1785)中「ついぶち所わるく、片息になって、かみすき所ではなく」
歌舞伎で髪を梳く場面。愁嘆場や濡れ場の演出法の一つ。初め、女が男に愛情を訴える手段に用いられたが、女同士の場合や、一人で行なうものも現われ、種々の感情を表現した。伴奏は、古くは半太夫節河東節が用いられ、宝暦年間(一七五一‐六四)以後は、もっぱら長唄の「めりやす」が用いられた。

かみ‐けず・る ‥けづる【髪梳】

〘自ラ四〙 くしで髪をすく。くしけずる。
太平記(14C後)三五一度食するに士来れば終へざるに急ぎ是にあひ、一たび梳(カミケヅル)にも訴へ来れば先是をきく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android