鬢盥(読み)ビンダライ

デジタル大辞泉 「鬢盥」の意味・読み・例文・類語

びん‐だらい〔‐だらひ〕【××盥】

を整える水を入れる小さなたらい
江戸時代髪結いが小道具一式を入れて持ち歩いた引き出しつきの手提げ箱。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鬢盥」の意味・読み・例文・類語

びん‐だらい ‥だらひ【鬢盥】

〘名〙
① 髪を結う時に使う水を入れる小さい盥。〔運歩色葉(1548)〕
※俳諧・鷹筑波(1638)二「池水や柳のかみのびんたらい〈信相〉」
② 江戸時代、回り髪結(かみゆい)が下げて歩く髪結道具を入れる箱。
※川柳評万句合‐宝暦九(1759)信「ひんたらいから露を打(うつ)小判なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鬢盥」の意味・わかりやすい解説

鬢盥
びんだらい

髪の乱れを直したり、鬢につやを出すために、サネカズラの茎を刻んで水に浸したものを入れる小さな盥をいう。塗り物、陶器、金属などでつくられた小判形の器であり、これが転じて、江戸時代に男の髪結いが持ち歩く道具箱をも鬢盥と称した。これは、取っ手のある長方形の引出し箱で、その中には、毛受けをはじめ鋏(はさみ)、かみそり、櫛(くし)、元結(もとゆい)、鬢水(びんみず)入れ類が収められた。

[遠藤 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android