鬼池村(読み)おにいけむら

日本歴史地名大系 「鬼池村」の解説

鬼池村
おにいけむら

[現在地名]五和町鬼池

しも島の北端に位置し、潮流の速いことで知られる早崎はやさき瀬戸を隔てて、対岸の肥前島原半島まで一里余の至近距離にある。全体に小高い丘陵が続き、温暖な気候に恵まれる。枇杷をはじめ果物の生産に適し、潮流に乗って魚群が移動するため水産業も盛ん。古代の遺跡としてかみはた古墳などがある。

建暦二年(一二一二)八月二二日の関東下文案(志岐文書)に「鬼池」とみえ、元久二年(一二〇五)志岐氏の祖とされる藤原光弘が鬼池など下島北部一帯の天草六ヶ浦の地頭に補任された。志岐氏関連の城跡と思われる宮津みやづ城跡付近には古塔群・六地蔵などがあり、志岐氏とつながりをもつ一族の供養塔と推定される。慶長国絵図に村名がみえ、正保郷帳に高六一一石余とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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