久助(読み)キュウスケ

精選版 日本国語大辞典 「久助」の意味・読み・例文・類語

きゅうすけキウすけ【久助】

  1. 〘 名詞 〙
  2. きゅうざぶろう(久三郎)
    1. [初出の実例]「料理人の久助迄当座島台拵へて」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)上)
  3. きゅうすけくず(久助葛)」の略。
    1. [初出の実例]「葛餠 久助をさとうのゆにてかたくねり、白きなこを木鉢へ敷、其上へ打あけ、きなこかけながらこねれば自由につまみきらるる物也」(出典:料理早指南(1801‐04)四)
  4. 江戸時代、新吉原で、あつかましい者、愚かな者をいう隠語。きゅう。
    1. [初出の実例]「酌子屋ではばかといふことを久助といふ」(出典:洒落本・青楼小鍋立(1802)成三草庵酒盛)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「久助」の解説

久助 きゅうすけ

?-? 江戸時代中期の漂流民。
陸奥(むつ)佐井村(青森県)の多賀丸乗組員。延享元年(1744)遭難し,千島列島漂着カムチャツカ,オホーツク,ヤクーツクとうつり,イリムスクで日本語教師となる。宝暦11年イルクーツクの日本語学校にうつり,ペテルブルグからきた他の多賀丸漂流民と合流。天明2-6年(1782-86)の間に同地で死去。陸奥閉伊(へい)郡(岩手県)出身。ロシア名はフィリップ=ニキフォロフ=トラペズニコフ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の久助の言及

【葛粉】より

…菓子では葛餅,葛桜,葛切り,葛ちまきなどのほか,葛湯に用いる。なお,江戸時代から吉野葛は久助(きゆうすけ)葛,久助と異称されたが,そこからさらにクズの音を屑に転用し,現在でもできそこないや売残りの菓子などを久助と呼ぶことがある。【平野 雄一郎】。…

※「久助」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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