日本大百科全書(ニッポニカ) 「鯨舟・鯨車」の意味・わかりやすい解説 鯨舟・鯨車くじらぶねくじらぐるま 高知市でつくられる郷土玩具(がんぐ)。捕鯨基地として昔から知られている土佐(高知)では、津呂(つろ)浦(室戸市)の漁師が漁場からの帰途、わが子の土産(みやげ)に木を削って手作りの鯨舟や鯨車を刻んだ。それがこの玩具のおこりという。鯨舟は大漁祝いの漁船を模したもので、4輪をつけ、紅黄緑黒などで彩色、船腹に波模様、花模様が描いてある。大きな魚に車をつけた玩具の鯨車には、背美(せみ)鯨、抹香(まっこう)鯨、長須鯨、座頭鯨など各種がある。和歌山県東牟婁(むろ)郡太地(たいじ)町にも、木製4輪付きの鯨舟がみられる。[斎藤良輔][参照項目] | 郷土玩具 鯨舟・鯨車 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例