(読み)このしろ

精選版 日本国語大辞典 「鰶」の意味・読み・例文・類語

このしろ【鰶】

〘名〙 ニシン科の海産魚。全長約二五センチメートルに達する。体高が高く、背びれの最後の軟条が長く糸状にのびている。背側は青藍色で黒い斑点列があり、腹部は銀白色を帯びる。新潟県、松島湾以南の沿岸に分布し、海藻の多いところにすむ。産卵期には汽水域に回遊する。幼魚をジャコ、シンコ、一〇センチメートル前後のものをコハダ、ツナシなどと呼ぶ。美味で、鮨種(すしだね)などにする。古来、焼くと死臭がするとしてきらわれ、種々の俗信がある。江戸時代には武士は「此(こ)の城(しろ)を食う」というのに通じることをいみきらって食べない習慣があった。《季・秋》
書紀(720)大化二年三月「鯯魚、此をば挙能之慮(コノシロ)と云ふ」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)室の八嶋「将(はた)このしろといふ魚を禁ず。縁記(えんぎ)の旨、世に伝ふ事も侍し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「鰶」の解説

鰶 (コノシロ)

学名Clupanodon punctatus
動物。ニシン科の海水魚

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android