鳥毛立女図屏風(読み)とりげりゅうじょずびょうぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳥毛立女図屏風」の意味・わかりやすい解説

鳥毛立女図屏風
とりげりゅうじょずびょうぶ

天平勝宝8 (756) 年東大寺に献納された聖武天皇遺愛品の一つ。正倉院に伝来する1帖6扇の屏風で,各扇には樹下に立ち,あるいは岩に掛ける婦人を描き,「樹下美人図」の名で親しまれる。その構図や婦人の服飾豊頬肥満容姿などは中国,盛唐期の仕女図 (しじょず) にならったもの。肉身以外の着衣樹木は,下描墨線の上に山鳥きじの羽で貼装していたが,現在ほとんど剥落している。特に面貌描写はすぐれた画技を示し,盛唐様式を受継いだ奈良時代絵画遺品として貴重。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android