鳴海潟(読み)なるみがた

精選版 日本国語大辞典 「鳴海潟」の意味・読み・例文・類語

なるみ‐がた【鳴海潟】

名古屋市緑区鳴海町の西方にあった海浜古称。鳴海の浦。歌枕
堀河百首(1105‐06頃)冬「なるみかた沖にとびゐるあじむらのすだく羽風のさはぐなるかな〈藤原仲実〉」

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デジタル大辞泉 「鳴海潟」の意味・読み・例文・類語

なるみ‐がた【鳴海潟】

名古屋市緑区鳴海付近にあった海浜。[歌枕]
「―岩根に寄する波の音にみなれながらもたつ千鳥かな」〈月詣集・一一

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日本歴史地名大系 「鳴海潟」の解説

鳴海潟
なるみがた

古代・中世には、現在の天白てんぱく川筋は広い入江となって熱田層と八事やごと層の二地層を分けていた。古鳴海こなるみと名鉄鳴海駅を結ぶ線以西およびおうぎ川に沿って相原郷あいばらごうを過ぎる辺りまでは江湾を形成しており、ここを鳴海潟と称した。鳴海の浦・鳴海のわたりともいう。

「更級日記」に「をはりの国、鳴海の浦を過ぐるに、夕汐たゞ満ちに満ちて、今宵宿らむもちうげんに、汐満ち来なば、こゝをも過ぎじと、あるかぎり走りまどひ過ぎぬ」とある。また、鎌倉時代の「海道記」に「萱津を立ちて鳴海の浦に来ぬ。

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