出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…なかでも有松(名古屋市緑区)地方で慶長年間(1596‐1615)に竹田庄九郎がはじめたといわれる有松(ありまつ)絞は,尾張藩の庇護のもとに産業として栄えた。街道筋の鳴海の宿場で売られたので鳴海(なるみ)絞の名で知られ,今日に及んでいる。この絞は近年では京都にも技法が採り入れられ,また京都製品のくくりの下請も行われている。…
…有松絞の年譜によれば寛永年間(1624‐44)に紅や紫の色染絞が始められ,延宝年間(1673‐81)には大名絞,杢目絞,手綱絞などの技法を組み合わせた文様絞が考案され,文化年間(1804‐18)には養老絞や筋絞,新しい手綱絞の工夫,1850年(嘉永3)には鈴木金蔵によって養老影絞,竹田利三郎により白影(しらかげ)絞が考案されるなど,めざましい発展を遂げた。これらは有松の店頭でおもに売られたが,隣の鳴海(なるみ)の宿場でも販売されたため,鳴海絞とも呼ばれた。
[近代]
1856年W.H.パーキンによって合成染料が発明され,まもなく工業生産が開始されるが,日本には早くも62年(文久2)ころ輸入され,京都や桐生で試用されたようである。…
※「鳴海絞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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