有松(読み)ありまつ

精選版 日本国語大辞典 「有松」の意味・読み・例文・類語

ありまつ【有松】

[1] 名古屋市緑区の地名。東海道鳴海宿の東方の茶屋集落として発達特産有松絞りがある。付近桶狭間(おけはざま)古戦場がある。
[2] 〘名〙 「ありまつしぼり(有松絞)」の略。
※雑俳・川やしろ(1790)「有松や誰が肌ふれん紅絞」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有松」の意味・わかりやすい解説

有松
ありまつ

名古屋市緑区の一地区。旧有松町。江戸時代は東海道五十三次の鳴海(なるみ)宿の東方の茶屋集落。伝統産業有松絞りの発祥地。絞りは江戸時代初期、竹田庄九郎(しょうくろう)が知多木綿に染色加工して、手ぬぐいや浴衣(ゆかた)地として売り出したのが始まりで、尾張(おわり)藩の保護もあって発展した。現在、絞り問屋をはじめ、江戸末期の土蔵造町屋が残っていて、県や市の文化財に指定されている建物も多く、名古屋市町並み保存地区に指定されている。名古屋鉄道本線有松駅があり、国道1号線が通じる。

[伊藤郷平]

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