鳶尾遺跡(読み)とびおいせき

日本歴史地名大系 「鳶尾遺跡」の解説

鳶尾遺跡
とびおいせき

[現在地名]厚木市鳶尾一―五丁目

鳶尾山(二三四・七メートル)の裾、荻野おぎの原台地上にあり、南面した緩やかな傾斜地一帯に立地し、南に荻野川が流れている。この遺跡は縄文時代草創期から後期にかけての小規模な遺跡群、古墳時代後期(七世紀後半)から奈良・平安時代にかけての大規模な遺跡(集落跡)および古墳からなる遺跡群の総称である。昭和四五年(一九七〇)から四七年にかけて調査された。

遺跡の主体となるものは古代集落跡で、一五〇軒以上の竪穴住居跡、一一〇棟以上の掘立柱建物跡や土壙、ピット群、溝などが検出された。おもな出土遺物としては、皇朝十二銭の富寿神宝、緑釉陶器灰釉陶器(石製・銅製)、鉄製品などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報