鷲ノ宮村(読み)わしのみやむら

日本歴史地名大系 「鷲ノ宮村」の解説

鷲ノ宮村
わしのみやむら

[現在地名]鷲宮町鷲宮・鷲宮一―五丁目・中央ちゆうおう一―二丁目・さかえ

現町域の中央部より北部にわたる地域を占め、東は古利根川(葛西用水路)を挟んで東・西の大輪おおわ村、西は上内うえうち村など。当村はほぼ中央の鷲ノ宮を含め四地区からなり、北は中島なかじま郷、西は粟原あわばら郷、南東新井あらい(風土記稿)中世太田おおた庄に属し、地名は同庄の惣鎮守と伝える鷲宮わしのみや神社に由来する。社号はすでに「吾妻鏡」建久四年(一一九三)一一月一九日条などに散見するが、この社号を土師宮はじのみやから転じたものとし、当地を土師部の集住地とみる説もある。治承四年(一一八〇)一二月一〇日の伝源頼朝寄進状写(鷲宮神社文書)に「鷲宮御厨」とあるものの、これは検討を要する史料とされる。天正一三年(一五八五)と推定される八月二〇日の北条家朱印状(同文書)によれば、鷲宮は小田原北条氏の兵站基地の性格を帯び、同一七年八月七日の太田氏房印判状(同文書)では岩付いわつき(現岩槻市)から当地まで一日に三駄ずつの兵粮を運搬すべきことを確認している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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