鷲子村(読み)とりのこむら

日本歴史地名大系 「鷲子村」の解説

鷲子村
とりのこむら

[現在地名]美和村鷲子

鷲子山に発する川が緩い曲線を描いて村内を東へ流れ、南北と西は鷲子山などの山で囲まれる。東は高部たかぶ村。那須街道太田烏山おおたからすやま街道が通り宿場町として栄えた。「新編常陸国誌」の鳥子氏の項に「那珂郡鷲子村ヨリ起ル、江戸通房ノ二子隠岐守通治、鳥子河内城ニ居ル〔系図、六蔵寺過去帳〕江戸但馬守ヨリ那珂郡鳥子郷五千八百九十石五斗ヲ与フ〔通実覚書〕」とみえる。江戸但馬守通房は寛正六年(一四六五)に死去したので、それ以前に次男通治を鳥子郷に分封したことになる。この鳥子郷の江戸氏は佐竹氏と結びついて家臣となり、佐竹氏の国替とともに秋田へ移った。

慶長一一年(一六〇六)と同一二年の年貢割付帳(「田制考証」所収)に「鳥子村」とみえる。「水府志料」に「旧鳥子に作る。元禄十六年より鷲子に改む」と記されるが、寛永一二年(一六三五)の水戸領郷高帳先高に「鷲子村」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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