日本歴史地名大系 「鷹島町」の解説 鷹島町たかしまちよう 長崎県:北松浦郡鷹島町面積:一七・〇八平方キロ松浦市の北に位置する鷹島などを町域とする。南東は福(ふく)島で、東は日比(ひび)水道を挟んで佐賀県東松浦郡肥前(ひぜん)町。鷹島の北西に黒(くろ)島があるほか、沖(おき)ノ島・二(ふた)島・山(やま)島などがあるが、鷹島、黒島(面積〇・七六平方キロ)以外は無人島である。町域の北部に宮地(みやち)岳(一一六・六メートル)、南部に牧(まき)ヶ岳(一一七メートル)などの山嶺があり、地勢が狭小であるため河川の発達は少ないものの、平坦地もあり農耕地が広がる。海岸部は急傾斜のリアス海岸で、阿翁(あおう)浦・殿(とん)ノ浦など大小の入江に恵まれて漁業基地が置かれている。鷹島汽船フェリーによって松浦市今福(いまふく)・肥前町と結ばれる。町域は玄海国定公園のうち。南西部の船唐津(ふなとうづ)にある開田(ひらきだ)遺跡、東部の神崎の長畑(こうざきのながはた)遺跡では旧石器時代のナイフ形石器や細石核などが出土、縄文時代・弥生時代の遺跡では原の沖(はるのおき)ノ前(まえ)遺跡、中通の友尻(なかどおりのともしり)遺跡などが知られる。中通の宝(ほう)ヶ峰(みね)古墳群は六世紀後半、蒙古(もうこ)崎の鬼塚(おにつか)古墳は七世紀前半と推定されている。律令制下では松浦(まつら)郡に属した。平安末期から鎌倉期にかけては宇野(うの)御厨のうちで松浦氏一族の勢力が及んだとみられ、一三世紀半ばには鷹島源三郎満がみえている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by