麻佐郷(読み)あさごう

日本歴史地名大系 「麻佐郷」の解説

麻佐郷
あさごう

和名抄」所載の郷。同書高山寺本など諸本とも麻在で、名博本ではアサリの訓を付している。正倉院文書により麻在は麻佐の誤記と考えられる。天平宝字六年(七六二)当時、埴生郡阿佐郷の戸主占部国万呂戸口の占部小足が石山院奉写大般若経所に仕丁として出仕していたが、五月に逃亡している(六月二一日「造石山院所公文案」・一二月二四日「奉写石山大般若経所解」正倉院文書など)アサより現さかえ麻生あそうを遺称地とみて酒直さかなお龍角寺りゆうかくじ安食あじきなどの一帯に比定している。当地域には龍角寺古墳群や古墳時代後期の大集落跡酒直遺跡、埴生郡家跡と考えられる大畑おおはたI遺跡、龍角寺の瓦を産した五斗蒔ごとまき遺跡、奈良・平安時代の集落跡麻生天福あそうあまふく遺跡、同時代に墓地を形成した龍角寺ニュータウン遺跡群などが所在する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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