麻布今井町(読み)あざぶいまいちよう

日本歴史地名大系 「麻布今井町」の解説

麻布今井町
あざぶいまいちよう

[現在地名]港区赤坂八―九丁目・北青山きたあおやま一丁目

溜池ためいけの谷地形から麻布・青山間の今井町通にある町屋。南側の片側町で、ごく一部は北側にもかかる。青山御炉路あおやまおろじ町続きに飛地(現北青山一丁目)があった。本町部分は江戸時代を通じ周囲をほぼ武家地に囲まれていた。南は出雲松江藩松平(越前)家中屋敷、北は赤坂一ッ木あかさかひとつぎ町飛地と周防岩国藩吉川家抱屋敷・寄合役松平家下屋敷、西は丹波山家藩谷家上屋敷、東は幕臣邸。間に妙福みようふく寺を挟む。江戸時代前期にのち赤坂となる地域(当時一ッ木村西方周辺)に移転してきたため赤坂今井町と誤称された(尾張屋版切絵図)

文政町方書上によると、当初今井村と称し現虎ノ門付近から南西部への斜面一帯に集落耕地が広がっていた。承応三年(一六五四)に江戸城外郭惣構最終工事のため虎門および外堀用地と武家屋敷地となり、当町とのちの麻布の今井三谷いまいさんや町・同てら町に分散して、近隣の武家屋敷の間隙に散在する形で移転した。

麻布今井町
あざぶいまいちよう

[現在地名]港区六本木ろつぽんぎ二―四丁目

明治五年(一八七二)成立した町。赤坂台地の南に接して六本木通の北裏にある。東は麻布箪笥あざぶたんす町・同市兵衛いちべえ町二丁目、南も同町、西が麻布三河台あざぶみかわだい町・赤坂氷川あかさかひかわ町、北が同福吉ふくよし町・同氷川町。同年東今井ひがしいまい町の麻布今井寺あざぶいまいてら町と麻布今井法音寺あざぶいまいほうおんじ門前であった部分、旧信濃松代藩真田家下屋敷・旧陸奥相馬藩相馬家中屋敷および旧幕臣二邸地と、湖雲こうん(門前町屋も含むと考えられる)法音ほうおん寺・大泉だいせん寺・真性しんしよう寺・円林えんりん寺・善学ぜんがく寺の寺地とともに、江戸時代の同名町域とは別の麻布今井町を新設した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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