黄色ブドウ球菌(読み)おうしょくブドウきゅうきん(その他表記)Staphylococcus aureus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄色ブドウ球菌」の意味・わかりやすい解説

黄色ブドウ球菌
おうしょくブドウきゅうきん
Staphylococcus aureus

ブドウ球菌うちで最も病原性の強いもの。常在している細菌で,傷口化膿 (かのう) の原因となる。また,食品中で繁殖すると毒素 (エンテロトキシン) をつくる。この毒素は耐熱性のため,加熱しても食中毒を起こす。発病食事をしてから1~4時間後と短く,症状吐き気嘔吐 (おうと) ,腹痛,下痢などである。一般に症状は軽く,1,2日で回復する。

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世界大百科事典(旧版)内の黄色ブドウ球菌の言及

【ブドウ球菌(葡萄球菌)】より

…しかし双球菌状,あるいは短鎖状の配列もとる。病原性の弱い表皮ブドウ球菌は人間の皮膚および粘膜上に常在しているが,病原性の強い黄色ブドウ球菌は,連鎖球菌と並んで化膿の代表的な原因菌であり,食中毒の原因菌ともなる。黄色ブドウ球菌の多くは,溶血毒素(α,β,γ,δの種類がある),食中毒症状を引き起こす腸管毒(エンテロトキシン),および種々の酵素あるいは菌体外タンパク質など(ヒトの血漿を凝固させるコアグラーゼ,プロテアーゼ,ヌクレアーゼ,ペニシリナーゼなど)を産生する。…

※「黄色ブドウ球菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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