黄金森グスク(読み)くがにむいぐすく

日本歴史地名大系 「黄金森グスク」の解説

黄金森グスク
くがにむいぐすく

[現在地名]宜野湾市大謝名四丁目

洪武五年(一三七二)に明国の洪武帝招諭に応え、初めて中国と進貢交易を果した中山王察度の屋敷跡と伝える。クガニナー(黄金宮)とも称する。「琉球国由来記」に「コガネミヤヨリアゲ森」がみえ、この森は昔察度王の即位以前の住居で、いつの時代からかあった金銀を得て黄金宮くがになー(金宮)という楼閣を造営したと伝える(「球陽」察度王附紀)。黄金宮は大謝名村の拝所金宮くがに之殿として崇拝された(琉球国由来記)。グスクは地元でメーガーラとよぶ宇地泊うちどうまい(比屋良川)に突出する標高約四二メートルの崖縁の微高地に位置し、石塁の高さが二・四メートルほどの野面積みによる径五〇メートル内外の楕円形の単郭構造とされ、縄張りの真中をジャナミチグヮーとよぶ古道が東西に走る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android