黒尊(読み)くろそん

日本歴史地名大系 「黒尊」の解説

黒尊
くろそん

[現在地名]西土佐村奥屋内

奥屋内おくやない集落のうち黒尊川最上流に位置する集落名で、付近一帯に広がる美林(現在国有林)をも総称する。林は幾つもの峰にまたがり、主峰は通称三本杭さんぼんぐいとよばれる標高一二二六メートルの峰。「土佐州郡志」には黒尊山として「接与州宇和島城下、周廻六里、伝曰昔者有黒村神、芝休傷・大多尾札打・黒塗烏帽子岩・伏之森・川奥大多尾・間引地・篠野・大森・奥野・杖立、皆与州界有黒尊山中」とある。

大乗院寺社雑事記」文明元年(一四六九)八月一一日条に「土佐より御音信、下山事自伊与国押領、色々御計略如元御知行云々」とあり、さらに同一一年三月二五日条に「家門造営用下山(材)木、自土佐御所和泉堺ニ被付之云々、御注文分」として「一丈三尺柱 三十本四六云々、八尺柱 二十本上居シキヰ用云々ケタ 十本四ヒロヌキ 五十本二間木、板 五十枚三ヒロ」と記し、「以上百十本板五十枚、文明十一年正月十八日」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の黒尊の言及

【西土佐[村]】より

…人口4061(1995)。四万十(しまんと)川中流域に位置し,中央部を南流する四万十川に北西から吉野川,目黒川,黒尊(くろそん)川が合流する。北西部は愛媛県に接する。…

※「黒尊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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