黒田博樹(読み)クロダヒロキ

デジタル大辞泉 「黒田博樹」の意味・読み・例文・類語

くろだ‐ひろき【黒田博樹】

[1975~ ]プロ野球選手。大阪の生まれ。平成8年(1996)広島東洋カープ入団チームエースとなり、最多勝利や最優秀防御率のタイトルを獲得。平成24年(2012)には米国メジャーリーグ移籍して活躍した。日米通算203勝。

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知恵蔵 「黒田博樹」の解説

黒田博樹

日本のプロ野球選手(投手)。1975年生まれ、大阪府大阪市出身。身長184センチメートル、体重85キログラム。右投右打。広島東洋カープ所属。
父は元プロ野球選手の黒田一博。小学校、中学校父親が監督を務める野球チームに所属した。上宮高等学校時代は、厳しい練習に耐えながら補欠の投手として過ごしたが、レベルの高い関東の野球に挑戦しようと東都リーグ2部の専修大学に進学する。1部に昇格した4年生時にはエースとして活躍し、当時、大学野球としては神宮球場に導入されたばかりのスピードガン場内表示で時速150キロメートルの球速を記録するまでに成長した。広島東洋カープのスカウトに見込まれ、96年、ドラフト逆指名の2位で同球団に入団した。
プロ1年目の97年から23試合に登板し、6勝9敗。2年目は1勝にとどまったが、3年目からは先発ローテーション入り。2001年には初めて2桁の12勝を挙げ、オールスターゲームにも初出場を果たす。以降、07年まで広島の中心投手を務めた。この間の通算成績は103勝89敗、防御率3.69で、05年には最多勝、06年には最優秀防御率のタイトルを獲得した。また74試合で完投し、「ミスター完投」と呼ばれた。
07年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使し、米国メジャーリーグのロサンゼルスドジャースに3年3530万ドルの契約で入団。大リーグ1年目の08年は、9勝10敗、2年目以降は09年8勝7敗、10年11勝13敗、11年13勝16敗と、味方打線の援護に恵まれないと言われながらも、先発ローテーション投手として安定した成績を挙げた。09年には、野茂英雄松坂大輔に続き、日本人として3人目の開幕投手を務めた。
12年、ニューヨークヤンキースに移籍。この年の16勝を始め14年まで毎年2桁勝利を挙げる。速球シンカーフォークスライダーなどを織り交ぜ、高い制球力と巧みな投球術で、チームの柱となる投手として高い評価を得た。大リーグ通算7年の成績は、79勝79敗、防御率3.45。
ヤンキースをFAとなった14年オフには、大リーグの複数球団が年俸20億円近くの条件で獲得に興味を示していると言われたが、広島東洋カープに8シーズンぶりの復帰を決めた。07年の渡米時には、「また日本でプレーするならこのチームしかない」と語っていた。
年俸は総額4億円と出来高払いと推定されている。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2015年)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「黒田博樹」の解説

黒田博樹 くろだ-ひろき

1975- 平成時代のプロ野球選手。
昭和50年2月10日生まれ。元南海ホークス内・外野手の黒田一博の次男。投手。右投げ,右打ち。上宮高,専修大をへて,平成8年広島東洋カープにドラフト2位で入団。9年読売ジャイアンツ戦でプロ初登板・初完投勝利。16年アテネ五輪代表。17年セ・リーグ最多勝(15),18年最優秀防御率(1.85)。19年100勝を達成。同年フリーエージェントで大リーグのロサンゼルス・ドジャースに移籍。24年ニューヨーク・ヤンキースに移籍。同年日米通算150勝を達成。速球,シンカーやフォークなどの変化球と制球力のよさで,26年日本人投手初の5年連続2桁勝利をあげる。同年広島東洋カープと契約,8年ぶりに日本球界に復帰。大阪府出身。専修大卒。

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知恵蔵mini 「黒田博樹」の解説

黒田博樹

プロ野球選手(投手)。1975年2月10日生まれ、大阪府出身。身長185センチ、体重86キロ、右投右打。父は元プロ野球選手の黒田一博。96年にドラフト2位で広島東洋カープに入団し、エースとして活躍。完投数リーグ1位の年が6度もあったことから「ミスター完投」の異名を持つ。04年にはアテネ五輪に出場し、日本の銅メダル獲得に貢献。08年にロサンゼルス・ドジャースへ移籍し、カープ初の日本人メジャーリーガーとなった。12年にニューヨーク・ヤンキースに移籍し、同7月18日、野茂英雄、大家友和に次ぐ日本人史上3人目となるメジャー通算50勝を達成した。

(2012-07-22)

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