黒羽向町
くろばねむこうまち
[現在地名]黒羽町黒羽向町
南流する那珂川西岸、北西から南流する堂川と那珂川との合流地点内にある。南北に関街道が通る。那珂川対岸の黒羽田町とともに黒羽城下を形成する。向町とよばれることも多い。石井沢村とその枝村奥沢村の町場を合せた地域で、両村全域を向町と称することもあった。初め荒宿と称したらしい(「黒羽藩領知高書上」宇都宮大学附属図書館蔵)。町並は南北に通り八町三〇間、小坂を境に上町と下町とに分れていた(安政二年「書上」阿久津正二文書)。寛文年中(一六六一―七三)の惣給人知行高ならびに所付帳(宇都宮大学附属図書館蔵)には向町とみえる。「創垂可継」によれば用水堀が南へ流下する。田一七町一反余・畑四五町余、泉地などはなく、家数は上町七七・下町九三。北方小山の林内に御山権現社がある。町の周囲に糠塚原・鏡沢原・升取原が広がっていた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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