黒羽城下(読み)くろばねじようか

日本歴史地名大系 「黒羽城下」の解説

黒羽城下
くろばねじようか

[現在地名]黒羽町黒羽田町くろばねたまち黒羽向町くろばねむこうまち前田まえた堀之内ほりのうち

那珂川東岸に位置する黒羽城の東・南の松葉まつば川と那珂川に挟まれた狭い地域、および那珂川西岸に形成された。東岸の黒羽田町、西岸の黒羽向町、東部の前田町北東部の河原かわら町からなる。天正四年(一五七六)大関高増が黒羽城に移って以後、本格的に城下の町割が整えられたと考えられるが、具体的な形成の時期・過程などは明らかでない。郷帳などでは田町は阿久津あくつ村、向町は石井沢いしいさわ村、前田町は前田村とみえ、河原町は堀之内村地内にあった(創垂可継)。町場化した地域が当城下を形成していたといえよう。このうち阿久津・前田・堀之内三村は慶安郷帳に黒羽村(高八二一石余、うち田一六一石余・畑三六〇石余で合計は合わない)として一括されている。

創垂可継」所載の城図によれば、黒羽向町は南北に向上むこううわ町四町一七間、向下むこうした町三町三〇間の町並が続き、上町と下町の境から東へ道が分れ、那珂川の船橋を渡って黒羽田町へ入る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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