黒胆汁質(読み)コクタンジュウシツ

デジタル大辞泉 「黒胆汁質」の意味・読み・例文・類語

こくたんじゅう‐しつ〔コクタンジフ‐〕【黒胆汁質】

ヒポクラテス体液説によって分類した四気質類型の一。心配性で陰気な気質。憂鬱ゆううつ質。→多血質胆汁質粘液質

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精選版 日本国語大辞典 「黒胆汁質」の意味・読み・例文・類語

こくたんじゅう‐しつコクタンジフ‥【黒胆汁質】

  1. 〘 名詞 〙 ヒポクラテスの分類した人間四つの気質の一つ体液黒胆汁の多い人の気質で憂鬱になりやすい気質をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒胆汁質」の意味・わかりやすい解説

黒胆汁質
こくたんじゅうしつ
melancholic

ギリシア時代の四(よん)体液説に関係づけて分類された四(よん)気質の一種で、ゆううつ質ともいう。現在では次のように考えられている。心配性で、取り越し苦労をする。また、内気で口数が少なく、物事を厳しくまじめに考え、慎重で消極的になりやすい。不安定な内向性に相応する。

[浅井邦二]

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世界大百科事典(旧版)内の黒胆汁質の言及

【気質】より

…気質を表す英語temperamentなどの西欧語は語源的に〈ほどよく混ぜ合わせる〉という意味のラテン語temperareに由来しているが,これは,ヒッポクラテス以来,人間の性格類型を血液・胆汁・黒胆汁・粘液という4種の体液の混合のぐあいから考えたためである。このうち,血液が優勢ならば,陽気で快活な〈多血質sanguine〉が,胆汁が優勢ならば,短気で興奮しやすい〈胆汁質choleric〉が,黒胆汁が優勢ならば,陰気で憂鬱(ゆううつ)な〈黒胆汁質melancholic〉が,また粘液が優勢なら,鈍感で冷血な〈粘液質phlegmatic〉がそれぞれ生ずると信じられた。このいわゆる四性論(四体液説)は,こんにちの目からみれば,科学的根拠を欠く空想の産物にすぎないが,体液病理学を医学の基本とみなした古代ギリシア・ローマ期に広く行きわたったばかりか,ルネサンス期を経て,近代医学の成立する19世紀まで受け継がれ,下記のクレッチマーの気質論にも多少の影響をおよぼした節がある。…

※「黒胆汁質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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