多血質(読み)タケツシツ

デジタル大辞泉 「多血質」の意味・読み・例文・類語

たけつ‐しつ【多血質】

ヒポクラテス体液説に基づく気質の4分類の一。快活、楽天的、社交的で、気が変わりやすい気質。→黒胆汁質胆汁質粘液質

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精選版 日本国語大辞典 「多血質」の意味・読み・例文・類語

たけつ‐しつ【多血質】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古代ギリシアの医学者ヒポクラテス以来の気質の分類の一つ。快活で、活動的であるが、感情が激しく、変化しやすい性格
    1. [初出の実例]「是は西医の所謂多血(タケツ)質、神経質等の質にて」(出典風俗画報‐七五号(1894)婚礼異聞)
  3. ( 形動 ) 皮膚などの血色がよく生き生きしていること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「姿のよい鼻と脣と、多血質な美しい皮膚とを」(出典:性に眼覚める頃(1919)〈室生犀星〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「多血質」の意味・わかりやすい解説

多血質
たけつしつ
sanguine

ギリシア時代の四(よん)体液説に関係づけて分類された四(よん)気質の一種で、現在次のように考えられている。快活でのんき、社交的で世話好きであり、おしゃべりが多いほう。また、現実的、妥協的であるが、慎重なほうでなく、気が変わりやすい。安定した外向性に相応する。

[浅井邦二]

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世界大百科事典(旧版)内の多血質の言及

【気質】より

…気質を表す英語temperamentなどの西欧語は語源的に〈ほどよく混ぜ合わせる〉という意味のラテン語temperareに由来しているが,これは,ヒッポクラテス以来,人間の性格類型を血液・胆汁・黒胆汁・粘液という4種の体液の混合のぐあいから考えたためである。このうち,血液が優勢ならば,陽気で快活な〈多血質sanguine〉が,胆汁が優勢ならば,短気で興奮しやすい〈胆汁質choleric〉が,黒胆汁が優勢ならば,陰気で憂鬱(ゆううつ)な〈黒胆汁質melancholic〉が,また粘液が優勢なら,鈍感で冷血な〈粘液質phlegmatic〉がそれぞれ生ずると信じられた。このいわゆる四性論(四体液説)は,こんにちの目からみれば,科学的根拠を欠く空想の産物にすぎないが,体液病理学を医学の基本とみなした古代ギリシア・ローマ期に広く行きわたったばかりか,ルネサンス期を経て,近代医学の成立する19世紀まで受け継がれ,下記のクレッチマーの気質論にも多少の影響をおよぼした節がある。…

※「多血質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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