人間の基本的態度を記述するため,ユングによって〈外向性〉とともに用いられた用語。ユングはS.フロイトとアードラーの学説の差に注目し,同一の事象が二人にとって異なった理論により説明されるのは,二人の基本的態度が異なるからであると考え,内向introversion-外向extraversionという概念をたてた。外向とは心的エネルギーが外界へと向かい,外的な事物や人物に関心を示し,外界からの影響を受けやすい傾向であり,内向とは心的エネルギーが内界へと向かい,内的な事象に関心が向かうことであるとした。人間は外向,内向の両傾向をもち,両者は相補的にはたらくが,どちらか一方の傾向が優勢である場合,外向型,内向型と名づける。内向型の人は控え目で新しい場面ではしりごみするのに対して,外向型の人は新しい場面でも気おくれせず積極的に行動する。外(内)向型の人も無意識内には,その逆の傾向をもっていて,自我の制御が弱まったときには,逆転した傾向が見られることがある。
執筆者:河合 隼雄
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外向性とは逆に、興味や関心が外界でなく自分自身に向けられる性格のこと。思慮深く控え目で、決断に際してためらいがちで、実行力に乏しい。また、物事に対して懐疑的、批判的で、自説にこだわりやすく、感情をあまり外に表さず、引っ込み思案で、友人が少ない。考え方は抽象的、理論的で、具体的、実際的でない傾向がある。
[浅井邦二]
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…精神医学者ユングの内向性・外向性の性格類型に発想の基礎をおいた人格検査の一つで,アメリカのレアードD.A.Laird,サーストンL.L.Thurstoneらにより向性を簡単に調べるものとして発表された。日本では1932年に淡路円治郎,岡部弥太郎が50項目の質問に,はい,いいえの二件法で答える向性検査を作成し,次の式による向性点を算出した。…
※「内向性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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