鼠が塩を引く(読み)ネズミガシオヲヒク

デジタル大辞泉 「鼠が塩を引く」の意味・読み・例文・類語

ねずみしお

ネズミが塩を引いて行くのは少量ずつだが、度重なっていつの間にか多量になるところから》小事が積もり積もって大事になることのたとえ。また、少しずつ減っていったあげくに、すっかりなくなってしまうことのたとえ。
[類語]塵も積もれば山となる水積もりて川を成す滴り積もりて淵となる雀の巣もうに溜まる餓鬼も人数にんじゅ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鼠が塩を引く」の意味・読み・例文・類語

ねずみ【鼠】 が 塩(しお)を引(ひ)

  1. ( 鼠が塩を引いていくのはごく少量ずつで目だたないが、いつの間にか多量となるところから ) 小事がつもりつもって大事に至る。また、物が目だたないくらいに減ってなくなるたとえ。
    1. [初出の実例]「詠れは顔のゑくぼぞ皺となる月の鼠がしほを引かよ」(出典:狂歌・古今夷曲集(1666)三)
    2. 「何ほどたくわへおきたる金銀にても、ねずみの塩ひくごとくいつへるとなしにつゐみなになり」(出典:茶屋諸分調方記(1693)三)
  2. こそこそと、小さくなってする動作をいう。
    1. [初出の実例]「その座の無首尾、嘉内に挨拶そこそこに鼠の塩引ごとくお内儀へ一札」(出典:浮世草子・庭訓染匂車(1716)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android