鼠宿口留番所(読み)ねずみじゆくくちどめばんしよ

日本歴史地名大系 「鼠宿口留番所」の解説

鼠宿口留番所
ねずみじゆくくちどめばんしよ

[現在地名]坂城町南条 鼠

鼠宿村の南端に近く松代藩と上田藩の境界にあり北国脇往還に臨む。成立は口留番人であった長谷川忠兵衛の天保一一年(一八四〇)松代藩への申立書によれば、万治年中(一六五八―六一)松平光長領の賊を発見し切り殺した功によって藩から任命されたという(長谷川文書)。この口留番所は岩鼻いわばなの険と千曲川に挟まれた交通上の重要地にある。

番所規定は、女の事は定法のとおり改めみだりに出入させない、万の穀物は年貢収納前はもちろん、平常でも通切手がない場合は通さない、酒荷物みだりに領内へ入ってくるが、他所より買い入れの族は押置早速注進すること、漆の木実は隠して持ち出し商売してはならない、などと定められていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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