ほどろ(読み)ホドロ

デジタル大辞泉 「ほどろ」の意味・読み・例文・類語

ほどろ[名]

ワラビの穂が伸びすぎてほうけたもの。また、ワラビのこと。
「なほざりに焼き捨てし野の早蕨さわらびは折る人なくて―とやなる」〈山家集・上〉

ほどろ[形動]

[形動ナリ]雪などがはらはらと降るさま。また、うっすらと雪が積もるさま。はだら
「我が背子を今か今かと出で見れば沫雪あわゆき降れり庭も―に」〈・二三二三〉

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精選版 日本国語大辞典 「ほどろ」の意味・読み・例文・類語

ほど‐ろ

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ほど」は、「ほどこる(播)」の「ほど」と同源で、夜の闇がくずれ散る時分の意という ) 明け方。
    1. [初出の実例]「夜の穂杼呂(ほドロ)吾が出でて来れば吾妹子(わぎもこ)が思へりしくし面影に見ゆ」(出典万葉集(8C後)四・七五四)
  3. ( が「ほど(程)[ 一 ][ 一 ]」の意に誤解されたもの ) ころ。時分。
    1. [初出の実例]「夜のほとろに参りて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)

ほどろの補助注記

もっぱら「夜のほどろ」の形で用いられる。


ほどろ

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 雪などが、はらはらと降るさま。また、雪などがまだらに降り積もるさま。まだら。はだら。
    1. [初出の実例]「夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり 一云 庭も保杼呂尓(ホドロニ)雪そ降りたる」(出典:万葉集(8C後)一〇・二三一八)

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