アルグーン・ハン(阿魯渾汗)(読み)アルグーン・ハン(英語表記)Arghūn Khān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アルグーン・ハン(阿魯渾汗)
アルグーン・ハン
Arghūn Khān

[生]1250
[没]1291
イランのモンゴル王朝,イル・ハン国第4代のハン (在位 1284~91) 。第2代アバカ・ハン (阿八哈汗)の子。イスラムに改宗した叔父アフマッド・タクダール (在位 81~84) を倒して即位。熱烈な仏教徒であったといわれる。 1288年にはユダヤ人医師サード・ウッダウラを財務大臣に任命して財政の建直しをはかったが,このユダヤ教徒の任命とその一族による要職の独占は,イスラム教徒たちの反発を買い,国内に動揺をもたらし,結局サード・ウッダウラはアルグーンが病没する直前に失脚し処刑された。外交面では,アルグーンは 88年と 90年の2回,キプチャク・ハン国軍の侵入を退け,マムルーク朝に対抗してヨーロッパのキリスト教諸国との同盟を策した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android