ハン(英語表記)Julius Ferdinand von Hann

デジタル大辞泉 「ハン」の意味・読み・例文・類語

ハン(khan)

モンゴル族・ウイグル族・トルコ族など遊牧民族の首長の称号モンゴル帝国では、四ハン国君主の称。ハガン可汗かがんかん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ハン」の意味・わかりやすい解説

ハン
Julius Ferdinand von Hann
生没年:1839-1921

オーストリア気象学者,気候学者。リンツ郊外のシュロス・ハウスに生まれる。ウィーン大学で物理学と地理学を修め,教師をし,かたわらウィーン中央気象台長イェリネックの手伝いをして《オーストリア気象雑誌Zeitschrift der Österreichische Gesellschaft für Meteorologie》の編集をした。1868年気象台員兼ウィーン大学講師となり,77年中央気象台長兼ウィーン大学教授となった。97年台長を辞し,グラーツ大学宇宙物理学教授になったが,1900年,ウィーン大学に戻り,定年までつとめた。幼いとき,アルプスの自然に親しんだ関係もあってであろう,フェーンに関する有名な研究がある。低気圧や高気圧の立体構造に関する研究もある。彼の著書《気候学ハンドブックHandbuch der Klimatologie》(1883)は気候学に関する世界で初めての本格的な著書であり,《気象学教科書Lehrbuch der Meteorologie》(1901)も長い間使われた。門下にはペルンターJ.M.Pernter,マルグレスMax Margules,トラベルトW.Trabertらがおり,学会誌がドイツの気象学会誌といっしょになり《気象学雑誌Meteorologische Zeitschrift》になってからも編集に携わり,当時の気象学界をリードした。晩年は第1次世界大戦の敗戦に遭い,困窮うちに死去した。
執筆者:

ハン (恨)
han

朝鮮語で,発散できず,内にこもってしこりをなす情緒の状態をさす語。怨恨痛恨悔恨などの意味も含まれるが,日常的な言葉としては悲哀とも重なる。挫折した感受性,社会的抑圧により閉ざされ沈殿した情緒の状態がつづくかぎり,恨は持続する。長い受難の歴史を通じてつねに貧しく,抑圧されて生きてきた民衆の胸の底にこもる恨は,おのずから彼らの行動を左右する要因としてはたらき,抵抗意識を生みだすようになる。韓国では植民地時代から解放後の〈外勢〉と〈独裁〉のもとで,恨は民族の〈恨〉として強く意識化されてきた。詩人キムジハは,恨を個人的・集団的に過去の歴史のなかで蓄積された〈悲哀〉であると定義し,第三世界の抑圧された民衆の抵抗の根源的活力と捉えている(《不帰》)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハン」の意味・わかりやすい解説

ハン
Hann, Julius Ferdinand von

[生]1839.3.23. ミュールクライス
[没]1921.10.1. ウィーン
オーストリアの気象学者,気候学者。ウィーン大学卒業後,高等学校の教師を務める。1867年ウィーン中央気象・地磁気研究所所員,1877年所長。1874年ウィーン大学地理学助教授,1877年教授。1897年グラーツ大学気象学教授。再びウィーン大学に戻り,1900年宇宙物理学教授。降雨現象,フェーン現象(フェーン)を中心に大気の力学と熱力学,大気の脈動,気圧などに関する優れた見解を示し,気候学の発展に貢献した。主著『全体としての地球,その気圏と水圏』Die Erde als Ganzes, ihre Atomosphäre und Hydrosphäre(1872),『気候学ハンドブック』Handbuch der Klimatologie(3巻,1883)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ハン」の意味・わかりやすい解説

ハン

オーストリアの気象学者,気候学者。ウィーン大学教授。ウィーン気象台長。世界の気象学で指導的役割を果たした《オーストリア気象学会誌》(1877年―1985年),さらにそれが発展的に合併して生まれた《ドイツ・オーストリア気象学会誌》を編集。降雨の機構,フェーン現象を解明するなど学問的業績も少なくない。著書に《気象学教科書》《気候学ハンドブック》など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

367日誕生日大事典 「ハン」の解説

ハン

生年月日:1839年3月23日
オーストリアの気象学者,気候学者
1921年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ハン」の解説

ハン

カガン

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android