下阿久原村(読み)しもあぐはらむら

日本歴史地名大系 「下阿久原村」の解説

下阿久原村
しもあぐはらむら

[現在地名]神泉村下阿久原

現神泉村の北東端に位置し、東と南は山に囲まれ、北方神流かんな川が流れる。北は渡瀬わたらせ(現神川町)、東は上稲沢かみいなざわ村・太駄おおだ(現児玉町)南西は上阿久原村、神流川対岸は上野国緑野みどの鬼石おにし(現群馬県鬼石町)南方太駄村との境に横隈よこがい(五九三・六メートル)があり、その北北東に位置するすぎノ峠は当村秩父瀬ちちぶせと太駄村を結ぶ峠で、すぎ峠ともいう。この峠道は古くから上野国と秩父地方を結ぶ要路として頻繁に利用され、上野国に来住した高麗羊太夫が秩父の開発のために往来し、銅の発見や養蚕・織物の指導、生活産業の振興に尽した道でもあったと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報