仁宇郷(読み)にうごう

日本歴史地名大系 「仁宇郷」の解説

仁宇郷
にうごう

那賀川中流域から上流域に位置する現那賀郡相生あいおい町・上那賀かみなか町および木沢きさわ村に比定される。現鷲敷わじき町の蛭子ひるこ神社が所蔵していた文明八年(一四七六)六月一五日の仁宇郷公事銭注文(徴古雑抄)に郷名がみえる。この注文は郷内の支配・収取単位である名(四五)から徴収した公事銭を名ごとに書上げたもので公事銭額は合計二三貫七八三文となっている。その記載は有力農民の経営とみられる人名的な名(一二)冒頭に、中分の名(一二)、奥分の名(一八)、奥名分の名(三)の順となっている。中分にみえる「はいきう」は現上那賀町拝宮はいぎゆうに、「ひま」は同町日真ひまに、「小浜」は同町小浜こはまに、「臼元谷」は同町うすたにに、「おん谷」は同町音谷おんだにに、「桜谷」は同町桜谷さくらだににそれぞれ比定され、中分は上那賀町北東部一帯にあたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android