八ヶ用水(読み)はつかようすい

日本歴史地名大系 「八ヶ用水」の解説

八ヶ用水
はつかようすい

高柳たかやぎの南、さすりまたから取水した組合用水で、現在は南佐久郡臼田うすだ町の稲荷いなり山下から引水している。おそらく平安時代にはその端緒が開けていたと思われる。野沢平のざわだいら開発にはなくてはならない用水で、近世は幕府領・私領八ヵ村の組合用水で、受益の村は野沢はら高柳鍛冶屋かじや取出町とりでまち本新町ほんしんまち跡部あとべ三塚みちづかの八ヵ村である。その余水は前山まえやま桜井さくらいまで利用されている。大普請には幕府領・私領から御用金が支出され、村々も人足物資を出した。小破普請は、村々相互の力で修理したという。

寛政二年(一七九〇)八月の野沢八ヵ村井堰〆切枠立目論見帳控(飯島信禰氏蔵)によるとこの堰による八ヵ村の水掛り総高は四千三五二石三斗一升二合で、三千一二五人五分の人足、一二一両一分と永四二文五分の金が見積られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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