一通(読み)イッツウ

デジタル大辞泉 「一通」の意味・読み・例文・類語

いっ‐つう【一通】

一つ文書または手紙。「一通投書」「もう一通コピーをとる」
一方通行1」の略。
一気通貫1」の略。
アクセント1ッツウ、23はイッツウ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一通」の意味・読み・例文・類語

ひと‐とおり‥とほり【一通】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一度通ること。さっと通り過ぎること。
    1. [初出の実例]「雨にわかに降りいでて〈略〉されど一とをりにてやみぬれば」(出典:竹むきが記(1349)下)
  3. 最初から最後までざっと行なうこと。一回順を追うこと。また、その内容。ひとわたり。いちおう。
    1. [初出の実例]「石河の女郎の能は、十番を一とをりして、中年寄りて、元雅すべき能也」(出典:申楽談儀(1430)能書く様、その一)
  4. ( 形動 ) ごく普通であるさま。あたりまえ。世間なみ。尋常。
    1. [初出の実例]「ヒトトヲリノ人 おほよそ人」(出典:詞葉新雅(1792))
  5. 一本の道。また、その道一帯。
    1. [初出の実例]「自神泉龍昇。辻風に小屋破損云々。但土御門一通也」(出典:満済准后日記‐応永二二年(1415)六月二四日)
  6. 一筋。一本。
    1. [初出の実例]「白けた一通(ヒトトホ)りの烟が蜃気楼のやうに」(出典:重右衛門の最後(1902)〈田山花袋〉六)
  7. 物の一組・一種類。
    1. [初出の実例]「すき道具〈略〉火ばしはひぼうろくいつれも一とをりかざったよ」(出典:虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初))

いっ‐つう【一通】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 全体がまとまって、一続きとなっているもの。
  3. 文書、手紙などの一つ。
    1. [初出の実例]「泣く泣く一通の状をかいて、広基のもとへつかはす」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐賈逵伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android