戯ればむ(読み)ザレバム

デジタル大辞泉 「戯ればむ」の意味・読み・例文・類語

ざれ‐ば・む【戯ればむ】

[動マ四]
気がきいている。しゃれている。風流めく。
「―・みたるが、まだ造りさしたる所なれば」〈東屋
物慣れたようすをする。しゃれたまねをする。
「世の中をまだ思ひ知らぬほどよりは、―・みたる方にて」〈空蝉
ふざける。たわむれる。
寝汚いぎたなき夜と―・みて、何め笑ふ」〈浮・万金丹・五〉

あざれ‐ば・む【戯ればむ】

[動マ四]ふざけているような態度をとる。好色めいたふるまいをする。
「例は、かやうに長居して―・みたる気色けしきも見え給はぬを」〈夕霧

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精選版 日本国語大辞典 「戯ればむ」の意味・読み・例文・類語

ざれ‐ば・む【戯ばむ】

  1. 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「ばむ」は接尾語 )
  2. 風流めいている。しゃれた風である。
    1. [初出の実例]「世の中をまだ思ひ知らぬ程よりは、されはみたる方にて、あえかにも思ひ惑はず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)空蝉)
  3. ふざける。たわむれる。
    1. [初出の実例]「いぎたなき夜とざればみて」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)五)

あざれ‐ば・む【戯ばむ】

  1. 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「ばむ」は接尾語 ) ふざけた態度をする。なれなれしくふるまう。好色めいたふるまいをする。
    1. [初出の実例]「わがいにしへすこしあざればみ、あだなる名を取り給うしおもて起しに、うれしうおぼしわたるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)

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