滝本寺跡(読み)たきもとじあと

日本歴史地名大系 「滝本寺跡」の解説

滝本寺跡
たきもとじあと

[現在地名]南国市岡豊町滝本

滝本の中央、山に囲まれ、北西方に毘沙門滝がある。「土佐州郡志」は滝本寺跡として「在毘沙門堂東南、伝云此地古有真言寺、号瀑本寺、今在城下市中」と記す。創建年代は不明だが、南之坊・岩本寺・上之坊・下之坊・山谷寺などの脇坊をもつ寺院として栄えた。天正一六年(一五八八)江村郷地検帳は「滝本」の地に三六代(中ヤシキ)の寺中をもつ滝本寺と、毘沙門堂のあることを記し、同寺は江村えむら郷に寺領三町五反余を所有している。長宗我部元親の頃の住持栄音・非有らは元親の外交僧としても活躍した。退転の時期は不明だが、長宗我部氏と運命をともにしたのではないかと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報