田中 豊一(読み)タナカ トヨイチ

20世紀日本人名事典 「田中 豊一」の解説

田中 豊一
タナカ トヨイチ

昭和・平成期の生物物理学者 マサチューセッツ工科大学物理学科教授。



生年
昭和21(1946)年1月4日

没年
平成12(2000)年5月20日

出生地
新潟県長岡市

学歴〔年〕
東京大学理学部物理学科〔昭和43年〕卒,東京大学大学院〔昭和47年〕博士課程修了

学位〔年〕
理学博士(東京大学)〔昭和48年〕

主な受賞名〔年〕
仁科記念賞〔昭和60年〕「高分子ゲル相転移研究」,高分子学会賞〔昭和62年〕「高分子ゲルの相転移」,芸術のための科学賞優秀賞〔平成5年〕,井上学術賞(第11回)〔平成7年〕「ゲルの相転移現象の発見とゲルの科学の確立」,ディスカバー賞(未来の技術革新部門)〔平成8年〕,東レ科学技術賞(第38回)〔平成10年〕

経歴
昭和47年渡米してマサチューセッツ工科大学(MIT)のG.ベネデック教授のもとで博士研究員となり、50年に同大助教授、54年準教授、57年教授に就任。生命の不思議さにひかれ、生命現象を物理的な面から解き明かす生物物理を専攻白内障を早期診断できる装置を作ったり脳神経の働きや神経系、膜の物理学なども研究。60年には液体を含むゼリー状の物質「ゲル」の相転移の研究で仁科記念賞を受賞。ゲル科学の創始者と呼ばれる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中 豊一」の解説

田中豊一 たなか-とよいち

1946-2000 昭和後期-平成時代の生物物理学者。
昭和21年1月4日生まれ。47年マサチューセッツ工科大の博士研究員となり,57年同大教授。ゼリー状の物質「ゲル」がわずかな温度変化などで急激に膨張,収縮する相転移現象を解明した。60年仁科記念賞,平成8年ディスカバー賞。平成12年5月20日死去。54歳。新潟県出身。東大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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