ゲル(英語表記)gel

翻訳|gel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ゲル
gel

コロイド溶液 (ゾル) が流動性を失ってゼリー状となったもの。固まった寒天,豆腐,こんにゃく,シリカゲルなどはその例。高分子物質またはコロイド粒子がその相互作用により全体として網目構造をつくり,溶媒あるいは分散媒である液相を多量に含んだまま流動性を失った状態のことである。

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デジタル大辞泉の解説

ゲル(〈ドイツ〉Gel)

コロイド溶液が固まって、半固体ないし固体の状態になったもの。ゲルが分散媒を含んだまま固化したものをゼリーといい、狭い意味ではゲルはゼリーのこと。豆腐・こんにゃく・ゆで卵など。→ゾルジェル

ゲル

《「ゲルト」の略。戦前の学生語》金銭。かね。

ゲル(〈モンゴル〉ger)

モンゴルなどの遊牧民が用いる饅頭形をした組み立て式の家屋。骨組みを木で作り、その上をフェルトで覆う。中国語では「パオ」という。

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百科事典マイペディアの解説

ゲル

パオ(包)

ゲル

ゾルが流動性を失い,粘度を増してゼリー状に固まったもの。ゼラチンや寒天の濃い溶液はこの例。コロイド粒子が一定の組織的な結びつきをつくり,自由に動けなくなった状態と考えられる。熱するとコロイド粒子の結びつきが壊れてゾルとなり,冷やすと再びゲルになる可逆的なものと,いったんゲルになると再びゾルにならない不可逆的なものがある。分散媒としての水が入ったものをヒドロゲル,この水を乾燥除去したものをキセロゲルという。シリカゲル,ケイ藻土などは後者の例で,乾燥剤,吸着剤として広く利用される。→チキソトロピー
→関連項目金属セッケン固形アルコールコロイド水銀電池膨潤リーゼガング現象

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岩石学辞典の解説

ゲル

コロイド(colloid)溶液であるゾル(sol)がゼリー状に固化したもの.多量の水などの液体成分あるいは空隙を含むことが多いが,系全体にわたる支持構造をもち,その形状をたもっている.

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デジタル大辞泉プラスの解説

ゲル

モンゴルの遊牧民が使用する伝統的な移動式住居。木製の骨組みにフェルトの覆いをかけ、ロープでとめる組立て式の住居で、壁は円筒形、屋根は円錐形の伏せた椀のような形状になる。骨組みは移動時には小さく折りたためるよう工夫されている。「パオ」ともいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゲル【gher】

モンゴルの椀型天幕家屋。包(パオ)はその中国語。細棒から成る壁部(伸縮自在の矢来組)と屋根部の骨組みに,フェルトをまき(夏は1枚,冬は2枚重ね),獣毛製ロープで縛る。トルコ系のユルタとは,屋根棒がまっすぐな点が異なる。ゲルは軽量で,携帯に楽であり,また組立てと解体が容易で,移動生活に便利である。入口は南面し,内部は中央に炉があり,北側が上座,西側が男席,東側が女席で,男席には馬乳酒製造用具,狩猟具など,女席には台所用品長持などが置かれる。

ゲル【gel】

コロイド分散系の分散粒子間にかなり強い結合力が働き,重力程度の外力によっては破壊されない網状組織をつくってゼリー状に固化した状態をいう。これに対して液状のコロイド分散系ゾルという。ゼラチンや寒天のつくるゲルが代表的であるが,各種のゼリー,豆腐,こんにゃく,あるいは生物体や土壌のある部分もゲルと考えられる。液体成分として水をもつものをヒドロゲルhydrogel,有機溶媒をもつものをオルガノゲルorganogelという。

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大辞林 第三版の解説

ゲル

〔「ゲルト」の略〕
かね。金銭。主に戦前の学生語。

ゲル【Gel】

ゾルが流動性を失って固化した状態。コロイド粒子が互いにつながりあって立体網目状構造をとり、その空間を水などの液体が満たしている状態。固化した寒天やゼラチン、シリカゲルなど。弾性のある一様なゲルを一般にゼリーという。ジェル。 → ゾル

ゲル【gher】

パオ

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精選版 日本国語大辞典の解説

ゲル

〘名〙 (主に戦前の学生用語。「ゲルト」の略) 金銭。〔モダン用語辞典(1930)〕
※女給夕子の一生(1956)〈井上友一郎〉五「だって、ゲル(金)はどうするんだよう? ゲルがないぜ」

ゲル

〘名〙 (Gel) コロイド溶液中の粒子が互いにつながってゼリー状に固化したもの。また、その状態。ゼラチンや寒天、豆腐、こんにゃくなどのほか、生物体の原形質内などにみられる。⇔ゾル

ゲル

〘名〙 (gher) 「パオ(包)」のモンゴル名。

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世界大百科事典内のゲルの言及

【住居】より

…農耕社会でも焼畑を経営する人々の住居は多少なりとも移動性を伴う。遊牧民ベドウィンのテントやモンゴルのゲルに代表されるような移動式住居は,われわれにもう一つの住居観を教えている。それは一ヵ所に定住しない世界であり,家船(えぶね)を住居とする漂海民にも通じていく。…

【テント】より

…移動式の家屋で解体して持ち運びのできる簡易なものを指す。獲物や家畜を追って移動する狩猟民,牧畜民の住居として,北アジアの狩猟民や北米インディアンの用いた3本の木を組み合わせた形や2本ずつ組み合わせた上に1本を渡し,さらにその上に皮や草で編んだマットを覆ったものやモンゴル,キルギスの遊牧民のユルタゲルのような柳の枝などで組んだ笠状の屋根にフェルトをかぶせたもの,西南アジアの遊牧民の長方形のブラックテントなど,現在も用いられているものもあるが,一般的には日常的住居としてではなく,臨時の露営,キャンプ用として軍事,探検,登山などで用いられる布製のテントを指すと考えてよかろう。運動会用や工事用に用いる野外の日よけ,雨よけに用いるものもテントと呼んでいる。…

【コロイド】より

…これは線状分子が長い分子鎖のところどころで会合し系全体にわたる網目構造をつくるためで,その間隙を水分子がうずめる。ゼラチンや寒天がつくるゼリー状構造が典型的であり,非常に軟らかいが固体状態をとりゲルと呼ばれる。しかしこの三次元網目構造をつくる分子鎖の会合はそれほど強くないので,温度が高くなり分子鎖の運動が激しくなるとほどけて液体状態となる。…

※「ゲル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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