豊後国絵図(読み)ぶんごのくにえず

日本歴史地名大系 「豊後国絵図」の解説

豊後国絵図(正保豊後国絵図)
ぶんごのくにえず

一枚 五三九×四六五センチ

成立 正保四年

写本 市立臼杵図書館

解説 正保四年郷帳とともに幕府に提出された国絵図の控図。岡藩中川氏と臼杵藩稲葉氏が絵図元となり作成された。楕円内に村名村高が書かれ、郡ごとに色分けされる。さらに村名の上には「いろは」の記号が付き、凡例領主名と対照され、領主ごとの領地高がまとめられる。また主街道海路は太朱線で示され、街道には一里塚を記し、港の船着きを注記するなど、交通に関する詳細な情報が書込まれている。


豊後国絵図(慶長豊後国絵図)
ぶんごのくにえず

一枚 二三四×二二八センチ

写本 市立臼杵図書館

解説 慶長年間の各藩領有関係を反映した豊後国全体の絵図。円内に領主名と村名を書き、村高は円の外に注記している。年号を欠くが、府内藩主が竹中氏で、玖珠郡・日田郡内に佐伯藩毛利氏領があるので、慶長年間に描かれたと考えられる。幕府は慶長九年国絵図と郷帳調進を命じており、本図はこれと関連のある国絵図と考えられる。


豊後国絵図(元禄豊後国絵図)
ぶんごのくにえず

一枚 四六〇×五二一センチ

成立 元禄一四年

写本 市立臼杵図書館

解説 元禄一四年郷帳とともに幕府に提出された国絵図の控図。正保度と同じく岡藩中川氏と臼杵藩稲葉氏が絵図元となり作成された。記載様式は正保国絵図とほぼ同様であるが、領主の区別はされていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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