精選版 日本国語大辞典 「国絵図」の意味・読み・例文・類語
くに‐えず ‥ヱヅ【国絵図】
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江戸幕府が諸大名に命じて調進させた国ごとの地図。初め1644年(正保1)にこの地図作製の法令が出され、その後、村落や石高(こくだか)の異動を修正するため1696年(元禄9)と1835年(天保6)の2回改訂命令が出て、江戸時代を通じて合計3回つくられた。その年代を冠して、それぞれ正保(しょうほう)、元禄(げんろく)、天保(てんぽう)国絵図とよんでいる。いずれも数年間を費やして全国80余枚の地図が完成した。良質の料紙を用い、2万1600分の1の縮尺により、狩野(かのう)派の御用絵師が極彩色で細密に描いたので、わが国の古地図のうちでもっとも壮大、豪華、美麗な地図ができた。そのほか国絵図の特徴は、内容が正確で信頼性が高いことと、村名や石高を明示した財政地図の性質をもつ点にある。その村名や石高は、姉妹編としてほぼ同時に編集された国ごとの『郷帳(ごうちょう)』と一致する。なお、山、川、道路、一里塚は描かれているが、郡、村の境界や所領関係の記載はない。幕府に献上された国絵図は維新後、明治初期の日本地図作製の参考資料として利用された。「天保国絵図」全部と「元禄国絵図」の一部は国立公文書館に保存されており、その転写、縮写図や、諸藩が調進のためにつくった関連地図類は各地の図書館にも所蔵されている。
[福井 保]
『福井保著『内閣文庫所蔵の国絵図について』(『内閣文庫書誌の研究』所収・1980・青裳堂書店)』
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日本で16~19世紀に作成された国郡単位の絵図。代表的なものは江戸幕府が全国に命じて作成させたものだが,その他,藩が領内支配のために作ったものや,民間に流布した版行図など,近世に多様な展開をみせた。前史としては古代国家により徴収されたとされる国郡の図が考えられるが,古代・中世の原図や写しは現存せず,実態は不明。近世では各時期によって内容が変化するが,基本的には国・郡・村の名称や石高などを書きあげた郷帳と一組のものとされた。山川を骨格とした地形表現のなかに,道・航路などの交通関係の描写と注記,記号化された村・町が記された。寺社も絵画的に描写された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…こうして,関白政権という政治体制を選びとった豊臣秀吉にとっては,古代以来の国郡制は不可欠の地方行政単位であった。1591年(天正19)には禁裏に納めるという名目で日本全国の御前帳(検地帳)と国絵図を徴収し,国郡制を地方支配の単位とする国家支配を確立させた。江戸幕府もまた国郡制を継承した。…
…江戸幕府が国絵図とともに作成・提出させた帳簿。郡ごとに村名とその石高を書き上げ,一国単位でまとめたものである。…
… こうした中世における境の性格・特徴は,近世にも大なり小なり引き継がれていったと思われるが,近世の境を特徴づけるのは,なんといっても国郡制的な行政区分であろうと思われる。豊臣秀吉が叡覧にそなえるという名目で作成・提出を命じた日本全国の御前帳と国絵図などによって,国土の全体が把握され,国郡制的な行政単位によって国内の境が整理されるに至った。江戸幕府もまたそれを継承し,おもなものだけでも慶長・正保・元禄・天保の各時期に国絵図と郷帳を徴収した。…
※「国絵図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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