Atom(読み)あとむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「Atom」の意味・わかりやすい解説

Atom
あとむ

インテル社がモバイルインターネットデバイス(MID、インターネット用携帯機器)向けのマイクロプロセッサーとして開発したCPU中央処理装置)の名称。2008年に発売。世界最小トランジスタを集積したもので、2010年時点で、インテルのCPUのなかではもっとも消費電力が小さく、最小のプロセッサーである。

 小型で低消費電力という特徴のため、ネットブックをはじめとする小型ノートパソコン向けでの利用が主流であるが、処理能力やコスト面などでのパフォーマンスのよさから、軽作業向けのデスクトップパソコンやシンクライアント(最低限の機能に限定したコンピュータ)用に使われることも多い。当初は一つのCPUコアを実装したシングルコアのみであったが、2010年からは二つを実装したデュアルコアのAtomも提供されており、性能やグラフィック品質などがより向上している。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「Atom」の解説

ATOM

米インテル社が2008年に発売した新しいCPU。PentiumやCore 2 Duo等の同社製CPUと比較し、小型、低消費電力(消費電力が低いと発熱量も低くなる)、低価格という特徴がある。UMPCNetbook、MIDへの搭載を想定して開発された。消費電力と価格を優先した「N」型番と、処理能力を重視した「Z」型番の2系統が存在する。Z型番のATOMの出荷が遅れた影響もあり、2008年夏に海外メーカーが発売した低価格モバイルパソコンやNetbookの多くがN型番のATOMを採用しているが、今後Z型番のATOM搭載機の増加が見込まれる。ATOMはPentiumやCore 2 Duoのような同社のパソコン用CPUと互換性があるため、一般的なWindows向けのプログラムがそのまま使えるメリットがある。ただし内部構造の違いから、現在主流の同社製CPU、Core 2 Duoと比べ、クロック数が同等でもデータ処理能力は劣る。

(斎藤幾郎 ライター / 2008年)


Atom

フィードのデータを記述する規格のひとつ「Atom Syndication Format」のこと。RSSから派生して独自の発展を遂げた規格で、コンテンツ本体を配信可能にする機能などを標準で持つ。これを利用してブログのようなWeb上のコンテンツをパソコンなどから編集するための「Atom Publishing Protocol」という規格などもあり、本来はこれら規格群の総称が「Atom」であるが、一般には単に「Atom」といえば上記のAtom Syndication Formatをさすことが多い。
なお、フィードを扱うソフトやWebサービスが「RSSリーダー」という名称でも、Atomのフィードを扱えるのが普通である。

(斎藤幾郎 ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「Atom」の解説

ATOM

パソコン関連では2つの意味があります。ひとつ目は、インテルが開発した小型で低消費電力のCPUの名称です。安価なため、小型のモバイル・パソコンに加え、低価格のインターネット端末などでも利用されています。もうひとつは、RSSと同様にフィードで利用される規格の名称です。
⇨RSS、フィード

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

IT用語がわかる辞典 「Atom」の解説

アトム【Atom】

インテルが開発した、持ち運びに適した小型ノートパソコンやインターネット利用専用のパソコン向けマイクロプロセッサー。小型で消費電力が小さく、低価格。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「Atom」の解説

Atom

インテル社が開発、製造する、小型機器向けのCPU。計算能力は高くないが、低消費電力で安価。2008年に登場し、主にネットブックで使用されている。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

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