マイクロプロセッサー(読み)まいくろぷろせっさー(英語表記)microprocessor

翻訳|microprocessor

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイクロプロセッサー」の意味・わかりやすい解説

マイクロプロセッサー
まいくろぷろせっさー
microprocessor

コンピュータ中核となる演算処理部と手順制御部を超大規模集積回路very large scale integration(VLSI超LSIともいう)として1個~3個のチップに収めたものをいう。MPU(microprocessor unit)ともいう。

 かつて個別部品を組み合わせてコンピュータをつくっていたとき、演算処理部と手順制御部は、中央処理装置central processing unit(CPU)とよばれ、大きな本箱並みの筐体(きょうたい)を占めていた。1971年に最初のマイクロプロセッサーがつくられた時点では、計算の対象となるデータのビット数が4ビットであったが、集積回路integrated circuit(IC)技術の発展によって、順次8ビット、16ビット、32ビットと計算能力をあげていった。それに伴ってアーキテクチャー(コンピュータシステム全体の設計思想)も従来CISC(複合命令セット・コンピュータ)型から、1990年代にはRISC(縮小命令セット・コンピュータ)型、1990年代後半にはスーパースカラ型が登場し、大型コンピュータやスーパーコンピュータにも見劣りのしない処理能力をもつようになってきている。

 マイクロプロセッサーは、メモリーや入出力制御用のチップを組み合わせただけで、簡単に高機能のコンピュータが構成できることから、コンピュータを機器に組み込んでその自動制御を行ったり、多数個を組み合わせて超高速並列コンピュータを構成したりと、パーソナルコンピュータを形づくるばかりでなく、産業技術の基本的な部品として広範かつ多様に使われている。

[筧 捷彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例