NMD(読み)エヌエムディー

デジタル大辞泉 「NMD」の意味・読み・例文・類語

エヌ‐エム‐ディー【NMD】[National Missile Defense]

National Missile Defense》米国本土ミサイル防衛。1990年代後半、北朝鮮イランなどのミサイル開発に対抗して、クリントン政権が開始した。2000年代に、ブッシュ政権による新ミサイル防衛構想に組み込まれた。

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百科事典マイペディア 「NMD」の意味・わかりやすい解説

NMD【エヌエムディー】

米国本土を長距離弾道ミサイルから防衛しようとする構想で,National Missile Defense(国家ミサイル防衛,米本土ミサイル防衛)の略称。地上設置体,レーダー,宇宙配備センサー(軍事衛星)からなる。北朝鮮,イラン,イラクなどのミサイル開発の脅威に対処するため1998年からNMD推進が唱えられたが,2000年までに3回の実験で2回失敗。クリントン政権は配備決定を次期政権に委ねた。配備のためにはロシアとのABMミサイル迎撃ミサイル)条約を改正する必要があるが,ロシアは強硬に反対している。ブッシュ政権は2001年5月,NMDとTMD戦域ミサイル防衛)の区別をなくし,全体を〈ミサイル防衛〉(MD)と呼び,2001年12月にはABM条約からの脱退をロシアに通告(条約は2002年6月に失効),ミサイル防衛戦略をすすめている。

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