誣（読み）ブ

デジタル大辞泉

ぶ【誣】［漢字項目］

［音］ブ（漢）　フ（慣）　［訓］しいる
事実でないことをでっちあげて言いたてる。「誣言ふげん・ぶげん・誣告ぶこく・ふこく・誣謗ふぼう・誣罔ふもう／讒誣ざんぶ」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

し・いる しひる【誣】

〘他ハ上一〙 し・ふ 〘他ハ上二〙 (「しいる（強）」と同語源) 事実を曲げて言う。つくりごとを言う。こじつける。あざむく。しゆ。

※書紀（720）欽明二年七月（寛文版訓）「爰に恐るらくは、誣(シヒ)欺ける網穽(あみあな)に陥(を)ち罹(かか)りて、国を喪(うしな)ひ家を亡(ほろほ)して」

ふ【誣】

〘名〙 他人をしいること。また、偽りあざむくこと。また、その言葉。

※続日本紀‐天平神護元年（765）一一月甲申「仲満誣以_二党逆_一、左_二遷日向掾_一」 〔韓非子‐顕学〕

し・ゆ【誣】

〘他ヤ上二〙 (ハ行上二段活用の「しふ」から転じて、室町時代頃から用いられたもの) ＝しいる（誣）

※俳諧・去来抄（1702‐04）同門評「誠にあざむくべし、しゆべからず」

し・う しふ【誣】

〘他ハ上二〙 ⇒しいる（誣）

出典　精選版 日本国語大辞典