PCIExpress(読み)ぴーしーあいえくすぷれす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「PCIExpress」の意味・わかりやすい解説

PCI Express
ぴーしーあいえくすぷれす

コンピュータ内のCPUと周辺機器をつなぐバス(信号路)の規格の一つ。PCI(Peripheral Component Interconnect)規格の開発と強化に取り組んでいる標準化団体のPCI-SIGによって、2002年に策定された。インテル社が開発を進めていた3GIO(3rd Generation I/O)がベースになっている。PCIの拡張版として開発されたのでExpressが付与され、PCIeやPCI-Exとも表記する。パラレル転送であるPCIに対して、シリアル転送を採用したことでバスの通信速度が向上している。そのため、ネットワークカードやUSB、IEEE1394、シリアルATAなどのインターフェイスカードなどに加えて、高速性を活かしたビデオカードやサウンドカードなどに採用されることが多い。PCIとPCI Expressとでは転送方法が異なるため、両者に互換性はない。

 PCI Expressでは、双方向で通信するために必要な最小限の構成の伝送路レーンとよぶ。レーンを束ねることにより、高速化を図ることもできる。2、4、8、16と2の倍数で増えていき、最大32レーンまで可能で、それぞれx2、x4、x8、x16、x32と表記される。レーン数が増えることで端子部分が増えていき、ボード(カード)そのものや組み込み先であるスロット形状も違ってくる。ただし、上位互換を保っているため、レーン数の少ないボードをレーン数の多いスロットに挿すことはできるようになっている。その他、PCI ExpressをベースとするPCカードの次世代規格であるExpressCardもあり、そのためのスロットを搭載したノートパソコンなども出回ってきている。

 なお、PCIの上位規格PCI-Xは、PCIと同一の転送方法でバスの動作周波数を高めたもので、PCI Expressとは異なる規格である。

[編集部]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「PCIExpress」の解説

PCI Express

PCIバスの次世代規格。開発コード名「3GIO(3rd Generation I/O)」として、PCI-SIGによって策定が進められ、2002年に正式に発表された。データ転送にはシリアル・インターフェースを採用し(PCIは、パラレル・インターフェース)、最大転送速度は2.5Gbps。レーンという単位でデータ転送速度を上げられ、レーンを2/4/8/16/32本と束ねて利用できる。たとえば、2本束ねると、通信速度は5Gbpsになる。特にPCI Express ×16は、AGPに代わるビデオカードのインターフェースとして一般化している。

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パソコンで困ったときに開く本 「PCIExpress」の解説

PCI Express

現在主流の拡張インターフェースです。旧来のPCIより少ない端子数で、さらに高速なデータ通信が可能となったため、拡張カードの装着に加え、パソコン内部での部品の接続にも使われます。本体と画面が一体でない分離型のデスクトップパソコンには、PCI Expressの拡張スロットがあるのが一般的です。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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