PCI(読み)ぴーしーあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「PCI」の意味・わかりやすい解説

PCI
ぴーしーあい

パソコン内部の構成部品間をつなぐデータ伝送経路(バス)の規格。英語のPeripheral Component Interconnectの略称で、「周辺構成要素相互接続」と訳される。1980年代から続くISA(Industrial Standard Architecture)規格のかわりとして、1991年にインテル社が提唱し、規格団体のPCI-SIG(PCI-Special Internet Group)によって策定された。実際に普及が進んだのは1990年代後半のことで、PCIは、CPU中央処理装置)への負荷も少なく、データバスどうしの調整の必要のない方式であることから、パソコン用の拡張スロット規格として標準的に使用された。データバス幅(1回で転送できるデータ量)は32ビットと64ビットで、動作周波数は33メガヘルツと66メガヘルツの2種類がある。バス電圧は33メガヘルツが5ボルトで66メガヘルツが3.3ボルトである。PCI 1.0から3.0まで規格が改訂されたが、そこでは動作電圧が変更されたのみで、転送速度の変更はなかった。最大転送速度はデータバス幅32ビットおよび動作周波数33メガヘルツで毎秒133メガバイト、同じく64ビットおよび66メガヘルツで毎秒533メガバイトである。また、2000年に発表されたPCI-Xは、サーバーなどを対象としており、その最大転送速度は64ビットおよび133メガヘルツで毎秒約1ギガバイトである。

 PCI規格のスロットにカード(ボード)を差し込む場合、32ビットと64ビットはカードの長さで、動作電圧はコネクターの切り欠き位置で区別されており、誤ったカードを装着することがないようになっている。また、パソコンにディスプレーを装着するためのグラフィックカードは、2000年代前半からは専用のAGP(Accelerated Graphics Port)スロットが登場し、PCIを代替するようになった。その後、PCIの後継規格であるPCI Express(エクスプレス)が使用されるようになった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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